さあ、離婚しましょう  始めましょう

「知り合ってから7年、好きになってからも長いでしょ。でもいざ付き合って、結婚決まって。これでいいのかなって。付き合ってって言ったのも私、結婚を迫ったのも私」
物事をはっきり言うところが佐和子のいいところだし、宗次郎君もそんな佐和子だから好きになったと思っていた。でもそれが佐和子を不安にさせていたのかもしれない。

「佐和子……」
宗次郎君の気持ちがわからない以上、何も言えなくなってしまった私に、佐和子は表情を戻すと私を見た。


「それより弥生たちよ。付き合うのを通り越して結婚するって聞いた時も驚いたけど、こんなに早く離婚もびっくり」
私たちの話題になりいつもの調子が戻ったのか、佐和子は言葉を続ける。
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