さあ、離婚しましょう  始めましょう

今も二人で頭がつきそうな距離でスマホを覗き込み、どんどん計画を進めている。

『だから尋人、それは違う』
『は? こっちの方がいいだろ?』

なんでも言い合える関係というのはこういうのだろうか。
お互い素で本気で言い合いをしている二人を、私は黙って見ていた。

尋人も佐和子が好きなのは分かってしまっていたし、ただの三角関係で、私はいてもいなくても関係ない?

そんな自虐的なことを考えていると、佐和子が心配そうに私に視線を向ける。

『弥生? どした? 気乗りしないならもちろんやめよう』

男勝りの佐和子だが、こうして細やかな気配りもできて、優しいのは私が一番わかっている。

だから、宗次郎君も尋人も佐和子に惹かれるのは当たり前だ。
『そんなことないよ。楽しみ』
笑って見せれば、佐和子はホッとしたような表情を見せた。
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