さあ、離婚しましょう  始めましょう

しかし、私は知っていた。尋人の歴代の彼女たちは、初めは宗次郎君に好意を持っていた女の子だったことを。
佐和子が宗次郎君が好きだと知っていたからこそ、尋人は佐和子の幸せを願って宗次郎君に女の子を近づけないようにしていた。
そばにいた私は、それを見ていてわかってしまった。

でも、宗次郎君は私の指導係ということもあり、なぜか社内では私とつきあっているという噂があった。
教育係ということで、私との方が仲良く見えたからかもしれない。

だからこそ、宗次郎君と佐和子の結婚が決まった時、なんとなく居心地の悪い空気を周りから感たのはたぶん勘違いではないだろう。

〝失恋したんだ、三条さん“そんな噂がかなり広がったころ、私は夜珍しく尋人から夜呼び出された。

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