さあ、離婚しましょう 始めましょう
隣には二人で言いあうように、寄り添う佐和子の姿。
友人なんだから何度もこの光景を見てきた。
でも、今日は穏やかな気持ちでは見られなかった。
佐和子はずっと宗次郎君が好きだと知っていたから、尋人の片思いと知っていたから。絶対に付き合うことはない。そのことが少なからず、穏やかな気持ちで見られていた。
しかし今は違う。佐和子も宗次郎君との結婚を延期し、尋人に気持ちが傾くことだってゼロではないのだ。
私たちは今、だれも結婚してないし、恋愛は自由なのだ。
サイテー私。
そんな醜いことを考えた自分に嫌気がさして、ふたりの後姿に足が止まってしまう。