さあ、離婚しましょう 始めましょう
「佐和子の方がわかりやすくない?」
ここでこの名前を出していいかわからなかったが、何かこじれてしまっている二人が心配で探りを入れるように聞いてしまった。
「そんなことない。何考えてるかまったくわからないよ」
ため息交じりに言った彼に、私も心配になってしまう。
「今回の結婚のこと?」
「俺はうまく行ってると思ってたんだけどな……」
カチッと固めている髪をクシャりとすると、宗次郎君は表情を曇らせた。
「私もそう思ってた」
「俺みたいなつまらない男は飽きたのかもな。もともと尋人との方が仲がいいし」
初めて聞く宗次郎君の弱音にどう答えたらいいかわからない。私だった佐和子と尋人がお似合いだと思ったことは一度や二度じゃない。