さあ、離婚しましょう 始めましょう
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時は少し遡る
勢いで結婚をして半年、日曜日の昼下がり。
2LDKのこのマンションは、お互いの部屋に、一緒に使うスペースがリビング、キッチン、浴室に洗面所だ。
昼まで自分の部屋でやりたかった仕事をしていた私は、お腹がすいてリビングへと向かった。
そこへ入るなり、文句をいいながら、しぶしぶ購入したはずのソファに、ゆったりと座る尋人が私に視線を向けた。
ブラックのスエットの上下姿すら様になっている。
私は一緒に住み始めてから、朝いちばんでメイクをして着替えているのに、この差にため息が零れそうになる。
『おい、弥生、今日の昼飯の当番お前だよ』
『知ってる。でもまだ十二時前だよ』
私が時計を見ながら言えば、尋人はニヤリと笑った。
『起きるのが遅かったから、朝飯食ってない。だから腹減った』
悪びれることなく言った尋人を軽く睨みつけた。
『私は食べたの』
『弥生ちゃん、お願い』
甘えたように言う尋人に、私は大きくため息をつくとキッチンへと向かう。
『オムライスかパスタ、どっち?』
『さすが弥生。オムライス』
会社で見る限り、おしゃれなイタリアンとかを食べていそうだが、意外にも尋人は庶民的な料理を好む。いや、お子様料理だろうか?
そんなことを思いながらも、甘やかしてしまう自分がバカかもしれない。