さあ、離婚しましょう 始めましょう
もしかしたら佐和子に告白でもして、気まずいことが合ったのかもしれない。
もう未練はないと証明でもしたいのだろうか。
『ん? 俺の実家の親がうるさいんだよ。結婚しろって。だから形だけ。俺たちもさ」
本気でこんな提案をしているのかと疑いたくなる。確かに彼の実家なら婚約者なり跡継ぎとか言われるかもしれない。
でも、それだけでこんなに酔って私に偽装結婚をもちかけるだろうか?
それでも私の頭の中で、悪魔がささやく。
会社の噂も面倒だし、尋人と結婚すれば色々な憶測など消えてなくなる。そして……。
そんな言い訳を必死に探した後、私は目の前のグラスのアルコールを流し込んだ。
『いいよ』
だって私は……。