さあ、離婚しましょう 始めましょう
「尋人……。この間言ってくれたこと本当? 私のこと……」
自分の気持ちを伝えていないのに卑怯だと思うも、もう一度聞きたくて私は問いかける。
そこまで言った私を、熱の孕んだ瞳がとらえた。
「何度でも言う。弥生が好きだ」
そっと伸びてきた手が私の頬に触れる。無意識にビクっとしてしまい、慌てたように尋人が手を引く。
「ごめん」
こんな風に謝らせたいわけではない。ただこうして改めて告白され意識をしてしまうと、経験の少ない私は訳が分からなくなってしまうだけだ。
本当にずっと好きだった人だからこうなってしまうのであって、決して嫌なわけではない。
宗次郎君や、星ちゃんに触れられても全然平気だし、今までも二人でいてもまったく平気だった。しかし、尋人の気持ちを知り、キスをしてからとうまく行かない。ドキドキとしてしまうし、緊張してしまうのだ。