【完結】和菓子職人との恋は、甘いようで甘くない?
好きです、悠月さん!
「……ん……っ?」
あれ……私……?
「……菜々海? 気が付いたか?」
え……? 何で?何で悠月さんがここにいるの……?
ていうか、ここはどこ……? えっ!?
「ゆ、悠月さんっ……!?」
目の前に悠月さんがいることに驚いた私は、そのままガバッと布団から起き上がった。
え?え? なんで悠月さんがここに!?
「おい!まだ寝てなきゃダメだろうが!」
そう言いながら、慌てて私を寝かせてくれる悠月さん。私はその姿に、呆然としてしまった。
「えっと……なんで私は、ここに……?」
「まあ、覚えてないのも仕方がないか。 お前、すごい熱をだして玄関の所に倒れてたんだよ」
「え……私が?」
そうだったんだ……。全然覚えてない……。
「で、お前を俺が看病してやったって訳だ」
「悠月……さんが?」
「ああ、お前すごい体熱かったぞ」
そう言いながら悠月さんは、おでこの上にあるタオルを再び濡らしてくれる。
「そ、そうでしたか……」
私、そんなことが……。確かにいつもよりとちょっと体がダルいような気はしてたけど、気のせいなのかなって思ってたよ。
「お前、体調悪いならなんで言わなかったんだよ」