ご近所の平和を守るため、夫のアレが欲しいんです!
 きっぱりと言い切る夫の我がままっぷりに、ちょっと呆れて見つめてしまう。でも慶一さんは自分の欲情を隠そうともせず、私のことを見つめ返した。なにこのダダ漏れフェロモン。

「紗江?」
「……ずるい」

 私が慶一さんのお願いに弱いこと知ってて言うんだから、ずるい。口をへの字にしてむくれると、彼はくすくすと笑って私の両頬をそっと撫で上げた。

「紗江は可愛い。俺の最高の奥さんだ」

 もうやだ、なにこの口説き文句。ボンって感じに真っ赤になってわたわたしていると、するりと上着を脱がされた。そのまま軽く抱きしめられて首筋を唇でたどられ、鎖骨まで降りて、じゅっと吸われる。跡のつくやり方だ。

「……っふ」

 たまらず息を吐き出して、彼の髪の毛に指を突っ込んでぐしゃぐしゃに掻き撫でる。お互いにくすくすと笑って、慶一さんは唇で肌をなぞると、好きなところで跡を残す戯れに熱中した。時々甘噛みされて、歯を立てられて、痛みと紙一重の刺激にぞくぞくして。肌の感覚が鋭敏になったところで、乳房の先端に辿り着いた。

「あ……」

 舐められちゃうのかな? とか、やらしい期待でいっぱいになる。どきどきしながら慶一さんの頭頂部を眺めていたら、不意に顔が上がって見つめられた。そしてそのまま私を見つめながら、慶一さんは舌先で乳房の先端を弾く。

「あん、あ……、あんっ」

 目が、離せない。慶一さんの舌先がいやらしく動く様と、彼の真剣な瞳。そのどちらも私の皮膚感覚をより鋭敏にさせ、全てを快楽に導いてゆく。そして彼は大きく口を開けると、思い切り頬張るように乳房の先端を吸い上げた。

「ひゃんっ、んんー!」

 片方の乳房は吸われ、もう片方は指でくにくにといじられて、私の腰が自然と揺れる。慶一さんは心ゆくまで私の乳房を堪能すると、最後にちゅぽっと音を立てて吸い、顔を離した。そしていつのまにか持ってきていたタオルを、上機嫌でソファーに敷く。

「ほら紗江、お尻上げて」
「は……、」
「ソファーに背中預けて」
「ん……」

 なんか気が付けば、下も脱がされて、ソファーに足を掛けた状態でもたれていて。あれ? これっていわゆる、M字開脚……?

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