ご近所の平和を守るため、夫のアレが欲しいんです!
 自分のはしたない格好に気が付いたのと同時に、膝頭もじゅって吸われた。どうした慶一さん? 全身に跡を残すつもりなのか?

 太腿を丹念に吸われて、唇でやわやわと揉まれて、私の体はもう大変なことになっている。膣は触れられていないのにその口を開け、蜜を垂らして、タオルが敷いていなければ絶対にソファーに染みが出来ていた。それを見越して準備って、どれだけ夫はやる気なんだろう。

 そんな彼の手によりすっかり出来上がっている私の体は、息を殺して終着点に来るのを待っていた。そして、

「紗江、もうぐちょぐちょ」

 その言葉と共に、彼の柔らかい舌が私の蕾をなぞり上げる。

「あああんっ! あっ、あっ」

 刺激に、火花が飛んだんだような感覚になる。彼の舌がぐにぐにと蕾を舐り、そして指が私の入口に潜り込んだ。気が付けば私はずっと嬌声をあげ続け、もう、与えられる刺激のことしか考えられない。慶一さんは的確に私を追い詰めると、その舌と指で私を絶頂へと導いた。

「んんーっ!」

 いやいやをするように首を振り、小さく叫んでから弛緩する。足もソファーから落ち、ソファーに身を投げ出した格好だ。そんな私を慶一さんがぎゅっと抱き締めた。

「いい、紗江?」

 お伺いを立てられるけど、拒む気持ちなんてもちろん無い。こくりとうなずくと、ゆっくりと彼が入ってきた。

「紗江の中、温かい」

 ため息混じりにそう言って、微笑む彼に愛おしさが募る。今、私の中に収まっている彼は、私のものだ。そう思うと、体は正直に彼のことを締め付けた。途端に慶一さんが息を詰める。そして息を吐き出すと、腰をゆっくりと振り出した。

「紗江、紗江……」
「うん。慶一さん……」

 お互いに名前を呼び合って口付けて、気持ちいいところを探られて、締め付けて。少しずつ腰の動きは激しくなって、水音が響き渡る。どうしよう。駄目。気持ち好い。好き。慶一さん、好き。

 思考能力はどんどん低下して、快楽だけを追っかけて、そして、

「うっ」

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