排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


「ピピーー!!」


「試合終了、36-34で勝者犬崎高等学校」

「「「わーーー!!」」」

 体育館に歓声が上がる。

 デュースに次ぐデュースの末、勝ったのは犬崎高等学校だった。30点を超える長い戦いが終わった。


 うそ……勝った……。

 信じていなかったわけでは無い。

 それでも底辺にいた私達が、ここまで来れたことが信じられなかった。

 私たちはここまで上がって来たんだ。


 残すは一戦。


 みんなが莉愛の元に戻ってくる。

「やったよ。ううっ……やったよ」

「俺ら……っ……勝ったんだよな?」

 充と瑞樹が泣いていた。

 クスクス、二人とも頑張ったもんね。

「みんなお疲れ様、次はいよいよ決勝戦だよ。ここまで来たら優勝しかないよ」

 みんなが円になり莉愛を囲った。

「次も勝て、春高行くぞ!」

 拓真の声を合図に、みんなが吠えた。

「「「おおーー!!」」」




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