排球の女王様~私に全てを捧げなさい!

 *




「すっげー!センターコートだ!」

「テレビ局来てるよ。カメラいっぱい。俺らテレビに映っちゃうの?」

 興奮気味の一年コンビがキョロキョロと回りを見渡している。

「あっちに、ゆるキャラのぐんちゃんいる。俺けっこう好きなんだよね。あっトントンちゃんも発見」

 瑞樹も興奮が隠しきれない様子で、ソワソワとしている。

「トントンちゃんと言ったら豚肉だな。群馬の豚肉はうまい」

 珍しく祐樹もずれた眼鏡を直しながら、話しに乗ってくる。

 そんな緊張感の無い部員達を引き締めるべく、拓真が声を掛けた。

「お前ら、回りの雰囲気に飲まれるなよ。姫川が来るまで、いつものアップメニュー始めるぞ」

「「「うっす!!」」」



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