排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
そして……。
「ピッピーー」
25ー13、第一セットを狼栄に取られ、皆がベンチに帰ってくる。
「みんな……」
莉愛がみんなに声を掛けようとした時、拓真達の声がそれを遮る。
「瑞樹、見えてるよな?」
拓真の言葉に反応し、瑞樹が口角を上げた。
「ああ、次は取れる」
その頼もしい瑞樹の言葉に、皆の口角も上がる。
「だよな。次は大崎のサーブだったよな?」
「絶対に上げる」
ああ、大丈夫だ。
これからが、うちの見せ場。
反撃開始だ。
「次は大地のサーブからだよ。見えてるならチャンスはある。大丈夫、反撃開始よ」
「「「シャーー!!」」」
中継の谷が、溜め息を付いていた。
「はー。随分一方的な展開になってしまいましたね」
「そうですね。ですが、ここからでしょう。王者狼栄はこの舞台になれていますが、犬崎は初めてですからね。動きが硬いのは仕方が無いと思うんです」
「なるほど。犬崎の反撃ありですね」
「「「わーーーー!!!!」」」
観客席から歓声が上がる。