排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
ここから長い戦いが始まった。
サーブから始まり、トス、スパイク、ブロック、レシーブが何度も繰り返される。1点取るのに、どれほど時間を要するのか……。見守る側も、体に力を入れ
固唾を呑む。息をするのも忘れてしまうほどの緊迫した攻防戦。どちらかが1点を取るたびに、溜め息が漏れ、体から力を抜くと言葉がこぼれる。
「はぁ~」
「すげー。こんな試合が間近で見られるなんて」
「狼栄もすごいけど、犬崎も負けてない」
ボールを追いかけ続ける両校の選手達。
ただ一つのボールを追い、上に上げる。
そして両者が思う。
ボールよ、相手のコートに沈めと……。