排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 高校デビューってことは、今までバレーをやったことが無いって事なのね。道理でバレーの基礎がなってないと思った。

「中学で何か部活はやってた?」

「あっ、俺はサッカー部だよ。万年補欠だったけど、体力には自信ある。走り込みとか得意だよ。ちなみに顔を見れば分かると思うけど、じいちゃんがアメリカ人のクオーターだ」

 そう言ったのは滝林洋介だ。

「滝林くんは左利きよね?」

「えっ……そうですけど?」

「それなら君はオポジットね」

「オポジット?」

 首を捻る洋介に莉愛は説明した。

「オポジットはセッターの対角に位置する場所にいて、攻撃特化形の選手です。左利きはライトからの攻撃に有利なんです。君が強くなれば、相手の脅威となる。一番得点を狙えるポジション……分かりますか?未来のスーパーエース」

「おお、マジで!格好いいじゃん。俺やる、オポジットやる」

 この子、単純で助かるわ。



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