排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
「立石さんはそのままで、大丈夫です。その身長を生かして、相手チームの壁となって下さい。あなたのその身長も、小池くんと同じように武器になります」
莉愛が話し終わると、皆が莉愛にグッと近づき、両手を握り絞めながら興奮した。
「姫川さん、すっげーな!今日の試合見ただけで、ここまで考えられるなんてさ」
「ホント、すっげー」
「姫川さんがいれば、俺ら強くなれるんじゃね?」
いやいやいや、そんなわけがないだろう。
みんなの期待に満ちた目が怖い……。
莉愛はそっとみんなから視線を逸らした。
「とにかく、一年生は基礎練習から始めて下さい。二、三年生はいつものメニューを教えて下さい」
莉愛は練習試合が終わったら、マネージャーの仕事を辞めるつもりでいた。しかし、何かに背を押されるように、体育館のコートの上に立っていた。