排球の女王様~私に全てを捧げなさい!

 *

 両校のアップが終了し、練習試合開始のため選手がコートに集合した。そして、スターティングメンバーに莉愛が入っていないことに、狼栄チームは困惑を隠せずにいた。

「あいつ出てこないな」

 大地が赤尾の耳にだけに聞こえるよう、囁いた。

「そうだな。何かあるのかな?後半出てくるとか?」

 そんな会話が狼栄側でされているとは、思ってもいない莉愛は、ベンチに腰を下ろしノートを取り始めた。

 みんな大丈夫。

 練習してきたことを思い出して。


 ピピーー!!


 試合開始のホイッスルが鳴り響く。




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