排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
ホームルームが終わり、立ち上がろうとしたところで、一人の男子生徒に声を掛けられた。
「ねえ、姫川さんてバレーボールとかやってた?」
バレーボールという言葉に、莉愛の体がピクリッと反応してしまう。
「…………」
何も言わずに眉を寄せながら男子生徒を見上げると、無視しているというのに男子生徒は話を続けてきた。
「経験者だったりする?」
経験者だったら、何だと言うのだろうか?
「ちょっと相談なんだけど、男子バレーボール部のマネージャーを頼まれてくれないかな?」
マネージャー……?
人と関わり合いたくない莉愛は、あからさまに嫌な顔をした。