排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
朝、教室に着くと、二人の女子生徒が近づいてきた。
「姫川さん、昨日校門の所にいた人って彼氏?」
「すっごく格好良かったよね?」
そう言ってきたのは立橋理花(たてはしりか)と宮内美奈(みやうちみな)だった。
「彼氏じゃないよ」
莉愛がそう言うと、二人が残念そうな声を上げた。
「えー、違うの?どういう関係?」
興味津々の二人は恋バナが好きそうで、瞳をキラキラとさせている。
「バレーボールの練習試合をした相手チームのエースってだけで、何も無いよ」
「エースがわざわざうちに来るの?何しに?」
「…………」
まあ、どうしてわざわざ此処に来たのかと言われると、あのことを話さないといけないんだけど……。
まあ、良いか。
「日曜日に練習試合があったんだけど、その時に私を男と間違えて勝負を挑んできたのよ。だからあの人はそれを謝りに来たの」
そう言うと、二人が顔を見合わせて「あー」っと残念そうに言った。