排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 まあ、大体そういう反応になるよね。

「ところでさ、姫川さんの眼鏡って度が入ってないよね?」

 その通り、莉愛の眼鏡に度は入っていない。男っぽいこの顔を隠すために掛けているだけの眼鏡なのだ。

「うん。度は入ってないよ」

「ちょっと取って見せて」
 
 そう言いながら、理花がヒョイッと眼鏡を取ってしまった。すると教室がシンと静まり返る。そこで、叫んだのは美奈だった。

「ちょっと!!姫川さん、超~イケメンなんですけど!!」

 だから男顔なのは分かっているんだってば。

 なぜか、こちらを見ている女子の顔が、赤くなっているのが目に入る。莉愛は前髪を掻き上げながら、困った様に眉を寄せた。そんな仕草さえも格好良く、周りにいた女子から溜め息が漏れる。

「分かってるよ。男顔なのは、だから眼鏡を掛けてるんだから」


「「眼鏡無しの方が絶対良いって」」


 理花と美奈の声がそろった。 






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