排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
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狼栄の練習が終わり、莉愛が帰ろうとしていると、大地に呼び止められた。
「莉愛。俺達ストレッチ終わったら、帰れるから待ってて、送っていく」
「ん?大丈夫だよ。そんなに遠くないし」
「外は暗いからダメ。女の子一人で歩かせられないよ」
外はいつのまにか、夕方から夜に変わり、暗くなっていた。夜道を女の子が一人で歩く事を心配していくれている。そんな大地の言葉に、頬が熱くなった。
あまり女の子扱いされたことの無い莉愛は、何だかむず痒くなってしまう。
ホントに大丈夫なんだけど……。そう思っていると、金井コーチが声を掛けて来た。
「姫川さん、大地が言うように、もう外は暗いから送ってもらいなさい」
金井コーチがそう言うなら……。
「はい。分かりました」
素直に金井コーチの言葉を受け入れ、大人しく大地達がストレッチをしているのを見ていると……。
あれ?
大地って体が硬いのかな?