排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
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八月に入り、暑い日が続いていた。しかし、ここは北軽井沢、浅間山麓の一帯に位置する、群馬県吾妻長野原町の大字である。夏は冷涼でとても快適に過ごせる場所なのだが、私達は此処に遊びに来たわけではない。それでもいつもと違う環境に、浮かれてしまうの仕方のないこと……特に一年生コンビは、なんとか赤点を真逃れ浮かれていた。
「うっわー。涼しいー!」
「気候が全然違う。サイッコー!」
はしゃぐ一年に、莉愛が気を引き締めるよう、颯爽と歩きながら声を掛けた。
「一年生コンビ、浮かれている場合ではないわよ。さあ、みんな楽しいバレーボールの時間だよ」
それから三時間後。
「あれー?高校生のぼくちゃん達は、もう終わりですか?」
汗だくで床にへばり込む、犬崎の部員達の姿があった。
「きっつー」
「くっそー。全然ついて行けねー」
弱音を吐く部員達をあざ笑う、群大生達。