排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


「まだ基礎練習だけど大丈夫か?」

 群大のキャプテン高橋さんが、心配そうに声を掛けてきた。

 そう、まだ基礎練の最中なのだが、すでに大学生との実力差が出てしまっていた。
 
 やはり大学生とでは体力に置いても、差が出てしまう物なのか?

「仕方ない、10分休憩」

 群馬国際大学のコーチが休憩を入れてくれた。

「すみません」

 莉愛が謝りに行くと、群大のコーチは苦笑しながら笑ってくれた。

「いや、いいんだ。たまにはこう言う練習もためになる。それに下に教えることは大切なんだ。後輩を指導することで分かることもある。昔の自分を思い出したりして、振り返るのも良いことだ」

「そうですか……あっ、それから聞きたいことが沢山あるんですが、後でお話良いですか?」

 熱心にノートを取る莉愛の元に、群大のエース島谷冬弥(しまたにとうや)がやって来た。

「あれー?犬崎のイケメンマネージャーさんは熱心だね。部員があれだと大変でしよう?」

「…………」

 何だこの失礼な人は?

「あれー?無視ですか?酷いなー。」

 チャラい……それにうるさい。

 このまま無視を続けようと思ったが、島谷の最後の言葉に莉愛はぶち切れる。

「これ終わったら、一緒に女の子ナンパに行かない?」

 誰がナンパになんか行くか!!



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