排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 そう言われ、莉愛は引きずられるように教室を出た。莉愛は手を引きかれながら、隣を歩く男子を見上げた。男子生徒はバレーをやっているだけあって、莉愛より背が高い。髪は短く切られ、爽やかなスポーツマンと言った感じだ。そんな男子生徒に無理矢理手を引かれ、体育館へと連れてこられてしまった莉愛は、困惑する。このままでは、バレーボール部のマネージャーにさせられてしまう。しかし男子生徒は、困惑する莉愛にはお構いなしに、体育館内に声を響かせた。

「おーい。みんな、マネージャー連れてきたぞ」

「ちっ……ちょっと!」

 私はマネージャーをやるとは、一言も言っていない。

 しかし、男子生徒の声に、体育館で練習していた男子バレーボール部のメンバー達が、一斉にこちらに視線を向けてきた。そして、私の腕を掴んでいた男子生徒が、唐突に自己紹介を始めた。

「あっ、そう言えば名前いってなかったな。俺の名前は津田拓真三年だ」




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