排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
*
「片付け終わったか?」
「こちは終わった。床は?」
「床はもうちょっとで終わり」
数分後、体育館の片付けが終わり、部屋へと帰ろうとしていると、島谷がやって来た。
「莉愛ちゃん、今日の俺のサーブどうだった?」
またなの?
今日はずっとこの調子……。
関わり合いたくない莉愛は、思ったことを全て口にした。
「空中姿勢が悪いと思います。打点の高さもブレブレだし、まだまだですね」
「きっついなー。でも、そういう所も好きだな」
「はあ、どうも」
一応お礼は言うも、全く心のこもっていない返事をした。
「島谷、あんまり姫ちゃん困らせるな」
「そうそう、あんまりしつこいと嫌われちゃうよ」
そう言ったのはキャプテンの高橋さんと由里さんだった。
「困らせる気ないし……愛を囁いているだけだ。俺は本気で莉愛ちゃんが好きなんだ。俺の愛と思いを受け止めて欲しいから。生まれ変わるって決めたんだから」
「おもっ……」
「お前いつからそんな重い感じに……」
高橋と由里がドン引きしていた。
莉愛も二人の横で島谷の発言にドン引いた。
「だから莉愛ちゃん、俺のこと好きになって」
ね。ね。ね。と、ニコニコする島谷。
「島谷さん昨日も言いましたけど、私には彼氏がいるんですよ。無理です」
彼氏がいるとハッキリと口にして、莉愛は頭を下げた。