排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
それを見ていた高橋が、ここぞとばかりに話しかけてきた。
「姫ちゃん、彼氏いるんだ。それって、今来てる部員の中にいるの?」
「えっ……違いますけど」
「同じ学校の人?」
「それも違います」
「別の学校の人なんだ。バレーやってる人?」
うわー。高橋さんどうしちゃったんだろ。質問攻めなんだけど。
「バレーボールやってる人です」
「学校は?」
高橋さんの質問が止まらない。
「高橋、ちょっと質問しすぎじゃ無い。どうしちゃったの?」
由里が呆れたように質問を中断させた。
「いいじゃん。由里は気にならないのかよ」
「それは気になるけど……」
申し訳なさそうに、由里がチラリと莉愛を見た。
「それで、何処の学校?」
質問を続ける高橋に、莉愛は苦笑しながら答えた。
「狼栄大学高等学校です」
「マジか、王者狼栄!スタメンのメンバー?」
「はぁ、そうだと思いますけど」
「名前……名前は?」
高橋さん、ホントにどうしちゃったんだろう。島谷さんよりグイグイ来る。とうの島谷さんは、高橋の勢いに負け、口をあんぐりと開けていた。
「大崎大地です」
「「「大崎大地!!」」」
一拍おいて、高橋と島谷、由里の三人の声がそろった。
「そっかー。大崎大地か」
「高橋さん知ってるんですか?」
莉愛の質問に、由里が食いついた。