排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
「それ、私に説明させて!知ってるも何も、有名人だよ。中学時代からその才能を開花させて、月刊バレボーの常連さん。いつも写真付きで載ってるよね。彼、格好いいもんね」
「そうそう、未来のオリンピック選手って、よく言われてるよな。確かユースに選ばれてるよな?」
大地ってやっぱりすごい人だったんだ。
「莉愛ちゃんすごい人と付き合ってるね」
大地のことを褒められて、何だか莉愛まで嬉しくなってしまう。
「へへへっ……」
大地を思い出し莉愛が笑うと、高橋さんが頭を撫でてきた。
「……これは、翔が可愛がるわけだ」
翔……?
「高橋、莉愛ちゃんに触んな。俺だってあんまり触ったことないのに!それに翔って誰だよ」
島谷の問いに、犬崎の皆も、うん、うん、と頷いている。
皆、翔と言う人物が気になっているのだろう。それを見ていた高橋が面白そうに話し出した。
「あれー?犬崎の皆も知らないの?この合宿の提案者でもあるのに?」
「えっ!この合宿頼んでくれた人なんですか?」
拓真が驚きを隠せない様子で声を上げた。
「そうだよ。大体お前達、姫川って聞いてピンとこないわけ?姫川翔って聞けば分かる?」
「「「姫川翔!!」」」
ほぼ全員の声が体育館にこだました。