排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
*::*
「「「ありがとうございました!!」」」
充実した合宿生活が終わりを告げた。体育館で頭を下げる犬崎バレ部員達。
「よく頑張ったな。春高予選頑張れよ」
そう言ったのは翔だった。満足そうに笑顔を見せながら、莉愛の頭を撫でた。そんな兄を莉愛は嫌がる様子も無く微笑む。そんな二人の姿に、皆が溜め息を付いた。
「美形二人が笑うと絵になるな」
「うん。なんか、見てはいけない物を見ている感じがするのは俺だけ?」
「BL的な?」
そんな雰囲気の中、一人だけ騒いでいる人物がいた。
「莉愛ちゃん、俺も連れて行って、一緒に行く」
泣きながら莉愛に抱きつこうとしているのは、島谷だった。
「お前は少し落ち着け」
そんな島谷を止めているのは高橋さんだ。
「お兄ちゃん、高橋さん、群大の皆さん、無理を聞いて下さってありがとうございました。見ていて下さい、必ず春高行って見せますから!」
莉愛がニコッと笑ってみせると、群大の皆が嬉しそうに笑って、右手の拳を前に突き出してきた。
「おう、頑張れよ」
「応援してるぞ」
「絶対、春高行けよ」
私達も右手の拳を前に突き出した。
「「「うっす!!」」」