排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
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今日は文化祭準備のため、体育館が使えない。そのため私達は外に出て、走り込みを開始する。ここは赤城の大鳥居、ここから上は、ともかく傾斜のキツい登りのみの道。下り坂は一切無いこの道は、ヒルクライムという登りの自転車競技にも使われる場所。この道は勾配角度9.7%と言われている道で、普通に歩いて登ってもキツい上り坂だ。学校の裏にあるこの道は犬崎高等学校の運動部員達にとって、大切な練習場所となっている。
「ダッシュ行くよ」
莉愛が吹くホイッスルに合わせ、赤城の大鳥居に向かってに駆け上がる。二人一組になって、キツい勾配をダッシュで駆け上がる部員達。
しんどそうだな。
でも、ここが頑張りどころ。
筋肉が悲鳴を上げようが痛めつける。
数本のダッシュを繰り返すと、汗だくの部員達は少し開けた場所で寝っ転がった。
「きっつー」
「俺、吐きそう」
充と洋介が、弱音を吐く。他の部員達は、声を発することも出来ず、肩を上下させ、ひたすら呼吸を整えようと、必死になっていた。
「みんなお疲れ様」
水分補給をさせるため、一人一人にスクイズボトルを手渡しながら莉愛は笑顔でトレーニングメニューを口にした。
「10分休憩したら、またダッシュ開始するよ。それからまた少し休憩して、次はランニングね。もちろん登りだから」
莉愛の笑顔に、全員が青ざめた。
鬼だ……。
皆がそう思ったのと同時に「うぷっ」と、吐き気を感じたのだった。