排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


「美奈、莉愛ってすごいよね。あれ、天然でやってるんだもんね」

「分かる。天然の人たらし。よく今まで噂にならなかったよね。中学の時とかどうしてたんだろ?」

「それそれ、私気になって調べたんだけど、どうやら女子生徒同士の暗黙のルールが存在するみたいだよ」

「何それ?」

「えっと……。莉愛様に勝手に近づいてはならない。必ず遠くから見守るべし。莉愛様のすることに口を出してはならない。話しかけてはならない。ルールを守れぬ者は排除すべし。みたいな?」

「怖っわ!何それ、怖すぎなんだけど……見守るだけ?それに……排除?そうなると私達やばくない?」

「そう思ったんだけど、どうやら本来の莉愛を引き出してくれたって、喜んでるみたいよ」

「そ……それなら良かったけど、恨まれたら怖そうね」

「うん。気をつけよう」

 二人は両手を握り絞め、同時にうなずき合うのだった。


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