排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
「ヤッホー。莉愛、遊びに来たよ」
「お兄ちゃん!!」
その莉愛の声に教室がざわめいた。莉愛より少し高い身長に、中性的な顔立ち。まさに莉愛を男にしたらこんな感じだろうと思わせる顔に、女生徒達の目は釘付けとなった。
翔は、大地と赤尾の横を通り過ぎると、莉愛の前まで行き、優しく頭を撫でた。
「お兄ちゃん、来るなら来るで、教えてよ」
頬を膨らませる莉愛だが、嫌がっている様子も無く、照れたように赤くなっている。翔はそんな莉愛を前に、嬉しそうに微笑むと、大地に視線を向け、ニヤリと笑った。大地は翔の表情にイラっとしたが、無表情で二人を見つめた。
そんな謎空間で、機会を窺っていた理花と美奈が、声を掛けてきた。
「莉愛、お兄ちゃんと大地さんて?それと赤尾さん?」
「莉愛、お兄ちゃんがいたんだ」
この二人絶対、面白がってるな。
何やら顔が、おかしな事になってますけど?
しかし回りの女子達は、目を輝かせながら、男子達を見つめ、囁きあっている。
「ちょっと、何この教室!イケメンだらけなんですけど」
「ホントやばい。眩しい」
「眼福!!」