排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 そんな女子達とは違い、理花と美奈はイベント発生、最高!と、目を輝かせている。

「それで莉愛、そちらがお兄さんだよね。莉愛に似てる!兄妹そろって美形だね」

「で、こっちのイケメンくんが、前に校門の所にいた人だから大地くんだよね?それと……?」

 理花と美奈が楽しそうにイケメン達の顔を確認していく。

「理花、美奈、紹介するね。こっちが私の兄の翔で、こちらが狼栄のキャプテン赤尾さんと……えっと、その……こちらが私の……かっ、彼氏の大地です」

 ううっ……。

 友達に彼氏紹介するのって恥ずかしい。

 理花と美奈がニヤニヤしながら顔を赤くする莉愛を、面白そうに見つめた。それから、理花が莉愛の兄である翔に挨拶をしながら首を傾げた。

「わー。莉愛のお兄さん、こんにちはって……どこかで会ったことあります?」

 理花が首を傾げると、美奈も「そう言えば」と言いながら首を傾げた。そんな二人に、翔はふわりと笑う。

「んー。初めましてだと思うけど?こんなに可愛い女の子と出会ってれば、忘れないよ」

「うわー。さすが、莉愛のお兄さん。イケメン発言」

「ん-。でも、どこかで……あー!分かった!駅のポスター!!」

「そっか!駅のポスターの人」

 駅のポスター?

「莉愛は電車通学じゃないから知らないよね。私達電車通学だからさ、いつも通る駅の改札の近くに貼ってあるポスターに、莉愛のお兄さんに似た人が……」

「ああ……それ、この間撮影したやつかも」

「本人なんですか?」

 教室内の騒ぎを聞きつけた、他の生徒達も集まり出す。




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