排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
感じ悪い……感じ悪い、感じ悪い。
莉愛は一歩前に出ると、顔を上げ高崎英明高等学園の部員達と対峙した。
「うちも負けませんよ。甘く見てると痛い目に遭いますからね」
莉愛の言葉を、負け惜しみだと思っているのだろう。高崎英明高等学園の部員達が、ケタケタと笑い出した。
「はははっ、犬崎らしい。負け犬の遠吠えだな」
「犬崎だけにー」
「西野その辺で止めとけ、負け癖が移るぞ」
「時東さん、そっかー。じゃあ俺らはこの辺で失礼するわ」
こちらを小馬鹿にしたように笑う高崎英明高等学園の部員達に、莉愛の血管がブチリと切れる。
「みんな、こんなこと言われて悔しくないの?」
バッと後ろを振り返ると、真っ青な顔で俯く拓真達の顔が、そこにはあった。
「ちょっと、誰か言い返してよ」
「…………」
えーー!
完全に呑まれちゃってる。
そんな犬崎の様子を見た高崎英明高等学園の生徒達は、笑いながらその場を去って行った。