排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 20分後。

「さあ、準備OK。メイク完璧」

「今日の髪型は動きやすいようにポニーテールのアレンジだよ」

 里花と美奈が莉愛の姿を確認して、満足そうに笑った。

「二人とも、ありがとう。行ってくるね」

「「莉愛、頑張って!」」

 いつも二人には助けられてばかりだ。
 
 拳を上に上げ、二人に視線を送ると、理花と美奈も嬉しそうに拳を上に上げた。

 上げた拳に力を入れ、気合いを入れる。


 莉愛は理花と美奈に見送られ、準々決勝の場へと、颯爽と向かった。

 何でだろう?

 理花と美奈にメイクしてもらうと、別人になったみたいに勇気が湧いてくる。不敵な笑みを浮かべ莉愛が廊下を歩くと、すれ違った全ての人が振り返る。


 圧倒的な存在感。


 さあ、楽しいバレーボールの時間だよ。


 もう一度、莉愛は心の中で気合いを入れた。


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