排球の女王様~私に全てを捧げなさい!


 コートに立った私達は軽くアップを開始した。

「おっ、女王様のお出ましだ」

「あれが噂の女王様?どこが女王様なわけ?確かに美人だけど」

「何でも、部員達を跪かせるらしいよ。あれ?踏みつけるだったっけ?」

「踏みつけられるって……M集団かよ」

「美人に踏みつけられるんだから、最高なんじゃね?」

 伊勢崎中央高等学校の応援団から嘲笑が聞こえてくる。

 言いたい放題言っているわね。

 噂が変な方向に行っている気がするし……。

 見ていなさい。

 そのおしゃべりな口が動かないくらい、驚嘆させてあげる。

「どう、みんな体は温まってきた?最後にレシーブの練習するけどいい?」

「「「…………」」」

 莉愛の体から立ち上がる黒いオーラに、部員達が震え上がる。

「返事が無いけど聞こえてる?あっ、そうそう。いつもどうり、レシーブミスった人は、帰ってからペナルティーあるから死ぬ気で取ってね」




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