初恋の絵
先輩と一緒に笑っていた。
そう思っていたのに、はっとしたときには、先輩の笑顔が視界に入ったのではなく、先輩のネクタイがすぐ目の前にあり、そして、心臓の音が聞こえた。
私が焦っていると、先輩は、私の耳の近くに顔を持ってきて言った。
「これからはさ、俺だけを見て、俺だけを絵に描いて」
そう先輩が言うと、先輩は私の肩をつかみ、正面を向かし、
「だめ?付き合ってってことなんだけどさ」
と聞いてきた。
私は思考停止しそうだった…けど頑張った。
「わ…私なんかでいいんですか?」
「もちろん。むしろ君じゃないと嫌だよ…絵理ちゃん」