初恋の絵
「お、お願いします!!」
私はそう答えるだけで精一杯だった。
…私の名前を知っていてくれたし…。
じっと私がぼーっと固っていたら、急に唇が温かくなり、やわらかな感触がする。
私はそれがキスだったと、先輩の顔が0cmから30cmくらい離れた時に気付いた。
「今のは俺の彼女ってしるしね。もし他の男見るようなことがあったら、キスしてやんないから!!」
そう先輩は言って立ち上がった。
そして私の手を握り、
「帰ろ、絵理」
と先輩は言って、私たちは歩き始めた。
校庭には、段々短くなってきた2人の影がはっきりうつっていた。
…私の初恋は、何だかすごく特別なものになりそうです。