初恋の絵
それは5月。
私がまだ入学して1ヵ月しかたってない頃。
私は入学して入部届用紙が配られるとすぐに美術部にそれを出した。
そしたら、中川先輩に小さな画用紙と鉛筆を持たされて、グラウンドを好きなように描いてくるように言われたから、グラウンドに向かった。
ここのグラウンドをよく見るのはその日が初めてで、仮入部らしい私と同じジャージを着た人がボールを蹴ったり、投げたり、走ったりしていた。
グラウンドを一周して気に入った場所が見つかったから、そこに腰を下ろし、手早く片付けようと思った。
「よし!!」
私は一時間かからずに描き終わってしまった。
我ながらうまくいった!!
そして私は立ち上がり、グラウンドを突っ切って美術室に戻ろうとした。
その時だった。
「危ない!!!!!!」
「…!!??」