ともだち
***



「じゃあそろそろ帰るね」




どのくらい盛り上がっただろうか。




話し込んでいるうちにあっという間に時間は経って、もう帰る時間になってしまった。



空は朱く染まって、夕方になっていた。



「もうこんな時間か、残念」



彼女は少し寂しそうに、でも微塵もそれを感じさせない明るい声で答えた。



「次会えるのは一年後とかになる?また」


「んー、まあそうなるかな。できるだけまた会いに行こうとは思ってるけど」


おそらく忙しくて、あまり行けそうにないと思う。



「ま、そんな頻繁に来るところでもないしな」

と彼女は頷いた。



「じゃあ今度は花と、お菓子もよろしく」

「気が向いたら」

「ケチ、もうちょっと慈しみの心があっても良いだろ」



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