ともだち
そんな風にぶーぶーと言う彼女を見て、改めて私は思った。



ああ、やっぱり変わらないなと。

会えなくても確かにその事実に安心できるのだ。




「あ、もうすぐ暗くなっちゃう」



その言葉に顔をあげると、かなり空は暗くなっていていつの間にか夕方が終わろうとしていた。




タイムリミットが来てしまった。




やっぱりともだちとの別れというのは寂しく感じる。

まあ、そんなこと口に出して絶対言わないけど。




「じゃあね、また」



「うん、またね」



そう言って言葉を交わして、私はその場をあとにして歩き出した。





ジャリ、ジャリと石が音をたてる。


辺りもどんどん暗くなっていく。




「‥‥」



歩いてから少し経って、私は花の束を持ったままでいることに気がついた。



これでは持ってきた意味がない。
急いで引き返そうとして、ふと空を仰いだ。





もうすっかり夜になっていた。





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