ともだち
そのことは懐かしさで嬉しくも、そして寂しくもあった。
いつものように軽口を叩き合って、私の近況報告をして、そしてタイムリミットがきて別れる。
夜になると彼女は消える。だから夜になった今は彼女は現れない。
「ねえ」
墓に向かって声をかける。
「そりゃあ幽霊になって会えるのは嬉しいけど、嬉しいけどさ」
それでも、やっぱり。
「私は生きて、会いたかったんだよ」
彼女は高校時代からのともだちで、悪友で、親友で。
きっとこれからだって会えないわけじゃない。幽霊の彼女と一年後に会えるのだろう。
でも、それでも。
私は、ともだちに死んでほしくなかった。
fin
いつものように軽口を叩き合って、私の近況報告をして、そしてタイムリミットがきて別れる。
夜になると彼女は消える。だから夜になった今は彼女は現れない。
「ねえ」
墓に向かって声をかける。
「そりゃあ幽霊になって会えるのは嬉しいけど、嬉しいけどさ」
それでも、やっぱり。
「私は生きて、会いたかったんだよ」
彼女は高校時代からのともだちで、悪友で、親友で。
きっとこれからだって会えないわけじゃない。幽霊の彼女と一年後に会えるのだろう。
でも、それでも。
私は、ともだちに死んでほしくなかった。
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