ここにいるよ
そんな空を追い詰めたのは‥


俺だったのかもしれない。




空はいつも特定の女の子と行動を共にしていた。



中学から同じの杏奈(あんな)だ。




家も近所で同じクラス。



空は杏奈を、何でも話せる親友だと話していた。




けれど俺は見た。




空が亡くなる二日前の事。




親友の杏奈と、空の好きな裕紀が‥




あの大きな交差点でキスをしていた。




俺は無意識に杏奈の所に走っていた。




「‥おい杏奈!」




俺の声に二人はひっくり返りそうなほど驚いている。




「じゃあ‥俺行くわ!」




裕紀は逃げるように走り去った。




「あ‥新君‥」




杏奈は気まずそうな顔をしていた。




「空‥知ってんの?この事」




下を向いた杏奈は俺を見ない。




二人に沈黙が続いた。




「空に‥言うよね‥?」




空に‥




恋してあんなに嬉しそうな空に‥?




「‥最低だな‥お前」




空は何もしらない。




「‥いいじゃん別に‥」




‥え?




杏奈が思いもよらない言葉を吐いた。




「あのコは子供みたいな恋愛なんだから‥とったっていいじゃん」
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