ここにいるよ
あの静かな葬儀から一ヶ月。




俺は元の生活を取り戻す為、休みがちだった学校に行く事にした。




元の生活と言っても‥




空はいない。




心にほっかり穴が開いたような感じ。




今日も何となく一日が過ぎ、あの交差点を渡って帰る。




いつもと同じ一日‥




たった今までそう思っていた。




たった今、空に声をかけられるまで‥




「あーらたッ」




恋しくて‥


何度も何度も何度も思い出したその声。




間違いなく空の声‥




振り返るのが怖かった。


空がいるはずはないのだから‥




恐る恐る振り返ると、そこにはいるはずない空が立っていた。




何事もなかったかのような笑顔で‥




夢なのか‥?




誰かが俺を騙そうとしているのか‥?




‥違う。


俺は空を見間違えたりなんかしない。




じゃあ‥

目の前にいるのは‥?




「そ‥空‥なの‥か‥?」




俺は聞いた。


口が渇いて言葉がうまく出てこない。
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