青春の備忘録
3月──制御と疑い
寒さが和らぎ始めた3月、私たちはいよいよ最高学年となっていた。
ある日の掃除時間、廊下で掃除をしていると担任の先生がやってきた。
「田川さん、4階の進路指導室にみんなのテキストがあるから、持ってきて配っておいてもらえないかな?先生ちょっとこれから会議があって、ホームルーム出れないからそれもみんなに伝えておいて」
「分かりました」
先生は少し焦った様子でその場を離れていった。
担任の先生は国語の授業も持っていて、普段は職員室にあるはずだが、今日は進路指導室に毎日出る宿題に使っていたテキストが置いてあるそうだった。
私は廊下の掃除を早めに済ませ、4階へ向かった。
普段使っている階段から行くと確実に8組に遭遇して油を売ってしまうので、校舎の端の方にある狭い階段を使うことにした。
半階上がったところで、上階からいつもの喧騒が聞こえてくる。
ある日の掃除時間、廊下で掃除をしていると担任の先生がやってきた。
「田川さん、4階の進路指導室にみんなのテキストがあるから、持ってきて配っておいてもらえないかな?先生ちょっとこれから会議があって、ホームルーム出れないからそれもみんなに伝えておいて」
「分かりました」
先生は少し焦った様子でその場を離れていった。
担任の先生は国語の授業も持っていて、普段は職員室にあるはずだが、今日は進路指導室に毎日出る宿題に使っていたテキストが置いてあるそうだった。
私は廊下の掃除を早めに済ませ、4階へ向かった。
普段使っている階段から行くと確実に8組に遭遇して油を売ってしまうので、校舎の端の方にある狭い階段を使うことにした。
半階上がったところで、上階からいつもの喧騒が聞こえてくる。