青春の備忘録
 サッカー部の1人が部長を呼んできてくれた。
 私は間髪入れず、
 「部活動紹介、お疲れさま。それで連絡というか伝えておきたいんだけど、私、今月付で部活辞めることにして、もう退部届も出してるから今後一切部活には出ない。今までありがとうね」
 と言って形ばかりの会釈をした。
 部長は、
 「あ、そう」
 とだけ言って去っていった。
 なんだか心に小さな穴が空いたような気がした。
 本当は大好きな音楽を辞めたくなかったが、露骨に嫌われていては音楽も楽しくなくなる。
 実際、部長としては私がいることは面白くなかったのだと思う。
 私は喧騒を後に、教室へ戻った。
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