青春の備忘録
 背筋に寒気がゾッと走るように緊張した。
 どうして私が電車で学校に行っていることを、私がどこで何時の電車に乗っているのかを知っているのか。
 私は恐る恐る、
 「はい……その電車で学校に来てます」
 と声のした方に体を向けた。
 すると目の前にいた男子生徒が近くにいたクラスメイトであろう数人と話し始めた。
 「ほら、やっぱり合ってたじゃん」
 「本当だ」
 「よくそこまで考えたよなお前」
 それは私の言いたいことだ、と思いながら黙って見ていた。
 私の通学方法をどうやって突き止めたのかは分からなかったが、その話をしていたのは野球部の数人で、寮生の彼らと私は大体同じ時間に登校していたから分かったのかもしれないと推測した。
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