青春の備忘録
6月──辛辣な言葉
春が終わり夏の手前、雨が降り頻る時期になった。
湿気に雨にと気分が沈みがちな季節だが、「彼ら」にはそんなことは全く関係がなさそうだ。
「田川さんー!上原が呼んでます!」
教室にやってきたのは8組のサッカー部だ。
彼もサッカー部でキャプテンを務めていて、キャプテン同士ということか良太と仲が良いらしい。
私は今日も断れず8組へ向かう。
きっと彼が呼んでいるなんて……と、私は半ば諦めた気持ちだが。
この辺りから、「良太が呼んでいる」と言われて人の集まっている廊下へ行くと、
「俺は呼んでません」
ときっぱり断られるか、私を見つけるや否や目に見えぬような速さで逃げて物陰や人陰に隠れるか、ということが多くなっていた。
湿気に雨にと気分が沈みがちな季節だが、「彼ら」にはそんなことは全く関係がなさそうだ。
「田川さんー!上原が呼んでます!」
教室にやってきたのは8組のサッカー部だ。
彼もサッカー部でキャプテンを務めていて、キャプテン同士ということか良太と仲が良いらしい。
私は今日も断れず8組へ向かう。
きっと彼が呼んでいるなんて……と、私は半ば諦めた気持ちだが。
この辺りから、「良太が呼んでいる」と言われて人の集まっている廊下へ行くと、
「俺は呼んでません」
ときっぱり断られるか、私を見つけるや否や目に見えぬような速さで逃げて物陰や人陰に隠れるか、ということが多くなっていた。