青春の備忘録
 学校に着いたら何の勉強をしようかな、まだ古典の予習終わってないから先にそれをやっちゃおうかな。
 目の前の校舎を眺めながらぼんやりと考え事をする。
 まだ目の前の道路にはたくさんの車が行き交っている。
 「ほら、あれが2組の田川さん」
 「あー、俺全然クラス遠いから見たことないわ」
 後ろから私の話をする声が聞こえる。
 「どうなんだよ、それで」
 「マジ天使みたい」
 だんだん近くなる会話に少し緊張した。
 決して私のことを話していると確定していたわけではないし、誰が言ったかもわからなかったけれど、なぜかその言葉が耳に残った。
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