青春の備忘録
高校1年生──よく分からないあの人

4月──未知の出会い

 入学式─それは新たな環境に身を置き、そこでスタートを切る日。
 私は真新しいブレザーを着て校旗を見上げ、校歌を歌いながら、
 「私はこの高校でたくさん勉強を頑張って、あの大学に受かるんだ」
 と、希望と期待に胸を膨らませていた。
 小学校の後半と中学校の6年間を女子校で過ごした私は、ただ勉強のことしか考えておらず、部活動や友情や恋愛といったものは全く頭になかった。
 その証拠に、私が所属したクラスは学校の中でもトップの組。
 私の通っていた高校は中高一貫校の高等部で、校内には目に見えない「序列」があった。
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